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- 令和8年6月定例会
- 6月15日 本会議 一般質問
- 曽根 達裕 議員
1 市営住宅の現状と当市の対応や基本方針について
当市では、高度経済成長期から平成初期にかけて整備された市営住宅が、市民の住まいのセーフティネットとして重要な役割を担ってきた。しかし、近年の急激な人口減少、少子高齢化、そして建物の老朽化という三重苦に直面しており、住宅施策の大きな転換期を迎えている。
当市が管理する市営住宅の現状を語る上で避けて通れないのが、建物の老朽化である。現在の市営住宅ストックの多くは、昭和20年代から30年代にかけて大量供給された。島田市営住宅等長寿命化計画によると、耐用年限を経過した住宅は全体の約4割に達している。平成以降に整備された中層耐火住宅は管理戸数全体の半数を占めているが、昭和中期に建てられた木造住宅や簡易耐火住宅が依然として一定数を占めており、これらは現代の居住水準や耐震基準に照らすと不十分な点が多く見られる。物理的な老朽化や利便性の低下に伴い、特に中山間地域や古い平屋タイプの住宅において空き室が目立つようになっている。
また、住宅そのものの問題に加え、入居者層の変化が管理運営に大きな影響を与えている。市営住宅の入居者の高齢化率は、市全体の平均を上回るペースで進行している。特に、単身高齢世帯の増加は顕著であり、「孤独死への対応」や「日常的な見守り」といった、単なるハードウェア(住箱)の提供を超えた福祉的機能が求められるようになっている。高齢者だけでなく、障害者、独り親世帯、低所得世帯など、民間賃貸住宅への入居が困難な「住宅確保要配慮者」の層が多様化している。これらの方々に対し、バリアフリー化された住宅の供給や生活支援サービスとの連携が不可欠となっている。
今後は、厳しい財政状況の中で、膨大な住宅ストックをどう維持していくかが最大の議論の的となっており、老朽化した住宅を一斉に建て替えるには膨大な費用がかかる。当市では島田市営住宅等長寿命化計画に基づき、壊して建てる「スクラップ・アンド・ビルド」から、適切な修繕で建物を長持ちさせる「予防保全型管理」へのシフトを図っている。しかし、修繕費の確保と優先順位の決定は常に困難を伴うと考えられる。
将来的な人口推計に基づくと、現在の管理戸数をそのまま維持し続けることは現実的ではない。需要に見合った「適正規模(ターゲット戸数)」への削減、すなわち一部団地の用途廃止や集約化が避けられない状況である。
そして、地域コミュニティと防災も課題となる。若年層の入居が減り、高齢者が中心となることで、団地内活動の停滞や共用部分の維持管理(草刈りや清掃)の負担増が問題となっている。防災機能における不安もある。古い木造・簡易耐火住宅は災害時の脆弱性が懸念される。特に、土砂災害警戒区域等にかかる団地については、計画的な移転や安全確保が急務となる。
このような現状を踏まえ、当市の対応や基本方針について、以下質問する。
(1) 市営住宅の老朽化が進んでいるが、島田市営住宅等長寿命化計画に示されている方向性とこれまでの取組について伺う。
(2) 耐用年限を経過している木造住宅や簡易耐火住宅の方針と現入居者への移転支援策をどのように進めていくのか伺う。
(3) 入居者の高齢化が進んでいる中、単身高齢者世帯の孤立や孤独死が懸念される。現在、福祉部局や地域包括支援センター、あるいは民間事業者等と連携した具体的な見守り・生活支援の仕組みはどのように構築されているのか伺う。
(4) 高齢化や入居率の低下により、草刈りや清掃、団地内役員のなり手不足など、団地内のコミュニティ維持が限界を迎えている地域がある。共用部の維持管理に対する負担軽減に向けた対策について伺う。
2 中央公園ほか6施設の現状と課題、そして将来に向けての当市の取組について
中央公園ほか6施設は、当市のスポーツ・レクリエーションの核となる施設群である。現在、これらは「しまだローズパートナーズ」という共同事業体が指定管理者として一括管理を行っている。民間企業のノウハウを導入することで、単なる維持管理にとどまらず、スポーツ教室の開催やイベント企画など、多角的なサービス展開が行われている。市としては、一括管理によるスケールメリット(清掃・保守点検の共通化)により、個別管理よりもコストを抑制できている現状がある。
指定管理者制度による効率化が進む一方で、長期的な視点で見ると深刻な課題が浮き彫りになっている。最大の問題は、多くの施設が建設から数十年を経過し、一斉に更新時期を迎えている点である。ローズアリーナの空調設備や防水工事、親子プールの循環システムなど、億単位の修繕費が必要な項目が累積している。ばらの丘公園も開園後30年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいる。指定管理者の業務範囲は通常「小規模修繕」に限られ、大規模な設備更新は市の直接事業(公費)となる。このため、現場で故障が発生しても市の予算措置が間に合わず、一部の設備が使用不能な状態で放置されるリスクがある。
民間事業者が運営する以上、収益向上が求められるが、公共施設としての制約が壁となっている。料金改定には条例改正が必要であり、物価高騰や電気代上昇を即座に利用料に転嫁することができない。
観光施設であるばらの丘公園は、バラの維持管理(剪定・防除)に多額のコストがかかる一方で、天候による来園者数の変動が激しく、単体での黒字化が極めて困難な構造になっている。そのような中、毎年の指定管理者の評価において「概ね適当」との判定が続いていても、それが必ずしも「市民満足度の最大化」に繋がっているかが分かりにくく、客観的な指標(KPI)の再定義が求められる。
また、災害対応の再確認も必要である。各地の地震等を受け、防災拠点としてのローズアリーナの備蓄機能や、民間スタッフによる初動対応の訓練強度が十分か再検証が必要なフェーズにある。
そこで、この施設の現状の確認と今後の取組について、以下質問する。
(1) 「中央公園ほか6施設」を一つのパッケージとして一括発注していることについて、市が当初見込んでいた「コスト削減」や「業務効率化」の具体的な数値目標はどのように達成されているか。また、一括管理によって生じたメリットとデメリットについて、市としてどのように把握し検証しているか伺う。
(2) 中央公園の遊具(ミニ鉄道、アスレチックなど)や体育施設の空調をはじめ、各施設の設備の老朽化が進んでいる。指定管理者が行うべき「日々の維持管理・修繕(小規模修繕)」と、市が行うべき「抜本的な長寿命化・更新(大規模改修)」の境界線は明確か、また、利用者の安全を守るための財政的なバックアップ体制について伺う。
(3) 指定管理者の強みである民間企業のマーケティングや柔軟な企画力を生かすためには、利用料金の柔軟な設定(例:繁忙期・閑散期、時間帯によるダイナミックプライシングなど)が有効である。しかし、現状は島田市都市公園条例等で利用料金の上限や基準が厳格に定められており、指定管理者の自主事業による収益拡大の機会を狭めていると感じるが、当局の見解を伺う。
(4) ローズアリーナをはじめとする一部の施設は、災害時の指定避難所や物資集積拠点としての役割を担っている。平時の指定管理運営の中で、災害発生時の行政等との初動対応の連携、指定管理者が取るべき行動などがどのように担保されているか、その実効性を伺う。
当市では、高度経済成長期から平成初期にかけて整備された市営住宅が、市民の住まいのセーフティネットとして重要な役割を担ってきた。しかし、近年の急激な人口減少、少子高齢化、そして建物の老朽化という三重苦に直面しており、住宅施策の大きな転換期を迎えている。
当市が管理する市営住宅の現状を語る上で避けて通れないのが、建物の老朽化である。現在の市営住宅ストックの多くは、昭和20年代から30年代にかけて大量供給された。島田市営住宅等長寿命化計画によると、耐用年限を経過した住宅は全体の約4割に達している。平成以降に整備された中層耐火住宅は管理戸数全体の半数を占めているが、昭和中期に建てられた木造住宅や簡易耐火住宅が依然として一定数を占めており、これらは現代の居住水準や耐震基準に照らすと不十分な点が多く見られる。物理的な老朽化や利便性の低下に伴い、特に中山間地域や古い平屋タイプの住宅において空き室が目立つようになっている。
また、住宅そのものの問題に加え、入居者層の変化が管理運営に大きな影響を与えている。市営住宅の入居者の高齢化率は、市全体の平均を上回るペースで進行している。特に、単身高齢世帯の増加は顕著であり、「孤独死への対応」や「日常的な見守り」といった、単なるハードウェア(住箱)の提供を超えた福祉的機能が求められるようになっている。高齢者だけでなく、障害者、独り親世帯、低所得世帯など、民間賃貸住宅への入居が困難な「住宅確保要配慮者」の層が多様化している。これらの方々に対し、バリアフリー化された住宅の供給や生活支援サービスとの連携が不可欠となっている。
今後は、厳しい財政状況の中で、膨大な住宅ストックをどう維持していくかが最大の議論の的となっており、老朽化した住宅を一斉に建て替えるには膨大な費用がかかる。当市では島田市営住宅等長寿命化計画に基づき、壊して建てる「スクラップ・アンド・ビルド」から、適切な修繕で建物を長持ちさせる「予防保全型管理」へのシフトを図っている。しかし、修繕費の確保と優先順位の決定は常に困難を伴うと考えられる。
将来的な人口推計に基づくと、現在の管理戸数をそのまま維持し続けることは現実的ではない。需要に見合った「適正規模(ターゲット戸数)」への削減、すなわち一部団地の用途廃止や集約化が避けられない状況である。
そして、地域コミュニティと防災も課題となる。若年層の入居が減り、高齢者が中心となることで、団地内活動の停滞や共用部分の維持管理(草刈りや清掃)の負担増が問題となっている。防災機能における不安もある。古い木造・簡易耐火住宅は災害時の脆弱性が懸念される。特に、土砂災害警戒区域等にかかる団地については、計画的な移転や安全確保が急務となる。
このような現状を踏まえ、当市の対応や基本方針について、以下質問する。
(1) 市営住宅の老朽化が進んでいるが、島田市営住宅等長寿命化計画に示されている方向性とこれまでの取組について伺う。
(2) 耐用年限を経過している木造住宅や簡易耐火住宅の方針と現入居者への移転支援策をどのように進めていくのか伺う。
(3) 入居者の高齢化が進んでいる中、単身高齢者世帯の孤立や孤独死が懸念される。現在、福祉部局や地域包括支援センター、あるいは民間事業者等と連携した具体的な見守り・生活支援の仕組みはどのように構築されているのか伺う。
(4) 高齢化や入居率の低下により、草刈りや清掃、団地内役員のなり手不足など、団地内のコミュニティ維持が限界を迎えている地域がある。共用部の維持管理に対する負担軽減に向けた対策について伺う。
2 中央公園ほか6施設の現状と課題、そして将来に向けての当市の取組について
中央公園ほか6施設は、当市のスポーツ・レクリエーションの核となる施設群である。現在、これらは「しまだローズパートナーズ」という共同事業体が指定管理者として一括管理を行っている。民間企業のノウハウを導入することで、単なる維持管理にとどまらず、スポーツ教室の開催やイベント企画など、多角的なサービス展開が行われている。市としては、一括管理によるスケールメリット(清掃・保守点検の共通化)により、個別管理よりもコストを抑制できている現状がある。
指定管理者制度による効率化が進む一方で、長期的な視点で見ると深刻な課題が浮き彫りになっている。最大の問題は、多くの施設が建設から数十年を経過し、一斉に更新時期を迎えている点である。ローズアリーナの空調設備や防水工事、親子プールの循環システムなど、億単位の修繕費が必要な項目が累積している。ばらの丘公園も開園後30年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいる。指定管理者の業務範囲は通常「小規模修繕」に限られ、大規模な設備更新は市の直接事業(公費)となる。このため、現場で故障が発生しても市の予算措置が間に合わず、一部の設備が使用不能な状態で放置されるリスクがある。
民間事業者が運営する以上、収益向上が求められるが、公共施設としての制約が壁となっている。料金改定には条例改正が必要であり、物価高騰や電気代上昇を即座に利用料に転嫁することができない。
観光施設であるばらの丘公園は、バラの維持管理(剪定・防除)に多額のコストがかかる一方で、天候による来園者数の変動が激しく、単体での黒字化が極めて困難な構造になっている。そのような中、毎年の指定管理者の評価において「概ね適当」との判定が続いていても、それが必ずしも「市民満足度の最大化」に繋がっているかが分かりにくく、客観的な指標(KPI)の再定義が求められる。
また、災害対応の再確認も必要である。各地の地震等を受け、防災拠点としてのローズアリーナの備蓄機能や、民間スタッフによる初動対応の訓練強度が十分か再検証が必要なフェーズにある。
そこで、この施設の現状の確認と今後の取組について、以下質問する。
(1) 「中央公園ほか6施設」を一つのパッケージとして一括発注していることについて、市が当初見込んでいた「コスト削減」や「業務効率化」の具体的な数値目標はどのように達成されているか。また、一括管理によって生じたメリットとデメリットについて、市としてどのように把握し検証しているか伺う。
(2) 中央公園の遊具(ミニ鉄道、アスレチックなど)や体育施設の空調をはじめ、各施設の設備の老朽化が進んでいる。指定管理者が行うべき「日々の維持管理・修繕(小規模修繕)」と、市が行うべき「抜本的な長寿命化・更新(大規模改修)」の境界線は明確か、また、利用者の安全を守るための財政的なバックアップ体制について伺う。
(3) 指定管理者の強みである民間企業のマーケティングや柔軟な企画力を生かすためには、利用料金の柔軟な設定(例:繁忙期・閑散期、時間帯によるダイナミックプライシングなど)が有効である。しかし、現状は島田市都市公園条例等で利用料金の上限や基準が厳格に定められており、指定管理者の自主事業による収益拡大の機会を狭めていると感じるが、当局の見解を伺う。
(4) ローズアリーナをはじめとする一部の施設は、災害時の指定避難所や物資集積拠点としての役割を担っている。平時の指定管理運営の中で、災害発生時の行政等との初動対応の連携、指定管理者が取るべき行動などがどのように担保されているか、その実効性を伺う。

