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  • 大石 歩真 議員
  • 令和7年9月定例会
  • 9月4日
  • 本会議 一般質問
1 女性の健康と活躍を支えるまちづくりの推進について ― 妊娠・出産前のライフステージからの切れ目ない支援体制構築を目指して ―
 日本は国際的に見ても、男女平等の実現が依然として大きな課題となっている。2025年の世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report」では、日本は148か国中118位にとどまり、特に女性の管理職登用や政治・経済分野への参画においては、G7の中で最下位という深刻な現状にある。
 当市では「子育てするなら島田市」として、全国的にも高く評価される子育て支援体制を構築してきた。島田市版ネウボラをはじめ、こども家庭センターの設置、育児サポーター制度の導入、市内100を超える団体による支援ネットワークの形成など、妊娠・出産・子育て期を切れ目なく支える体制は、当市の誇るべき強みであり、市民の大きな安心につながっている。
 その一方で、こうした支援が「妊娠・出産以降の段階」に注力されていることは否めず、その前段階にあたる「月経」に関する支援については、現在も発展途上であると言える。女性のライフステージ全体を見据えた支援体制として、もう一歩進めていく必要があるのではないかと感じている。
 月経は全ての女性に共通する自然な営みでありながら、社会的タブーや無関心により制度設計の優先順位が低く置かれてきた領域でもある。特に学校現場においては、突然の月経に対応できる備えが保健室のみで完結しており、安心して学べる環境という点ではまだ課題が残されている。
 こうした中で、全国の多くの自治体では、月経に関する支援として生理用品の提供や設置の取組が徐々に広がってきている。特に公共施設や学校トイレへの常設といった「日常に寄り添う支援」が進められており、それが単なる衛生対応ではなく、「女性の尊厳を支えるインフラ整備」として制度化されつつある点に、時代の変化を感じる。静岡県内でも中学校での設置を行う自治体があり、北海道では国のモデル事業を経て、全道立学校への本格導入が始まっている。
 また、2023年の出生数は初めて70万人を下回り、政府も「少子化は待ったなしの課題」として各種対策の強化に動いている。こうした現状の中で、月経・PMS・更年期など、女性の健康課題に公的に向き合うことは、将来の妊娠・出産の基盤を整えることにもつながり、少子化対策の「根幹」をなすアプローチとして位置づけることができるはずだと考える。
 これまで当市が培ってきた子育て支援の実績を土台に、さらにその前段階から女性の健康と尊厳を支えられる「新たな支援モデル」へと進化していけるよう、以下について伺う。
 (1) 当市における男女共同参画及び女性活躍推進の方針・計画の概要と、児童生徒世代を対象とした月経に関する支援の位置づけについて伺う。
 (2) 少子化対策の観点から、妊娠・出産支援に関する当市の支援体制の整備状況とその評価について伺う。
 (3) 月経を含む女性の健康課題に対する支援体制の観点から、公共施設・学校における生理用品の設置等の取組状況について伺う。
2 高齢化社会における認知症高齢者の行方不明者対策の強化について
 日本全体は急速な高齢化の進展に直面しており、中でも認知症による徘回や行方不明者の増加は深刻な社会的課題となっている。警察庁によれば、2024年に届出のあった認知症による行方不明者は1万8,121人に上り、前年から918人減少したものの依然として高い水準である。また、死亡が確認された方の多くは川や用水路、山林など捜索が難しい場所であり、命に関わる重大な問題として受け止める必要がある。
 当市に目を転じると、当市の資料や内閣府の将来推計によれば2025年には市内で約5,700人が認知症を抱える可能性があるとされている。こうした数字に加え、令和7年6月末時点での高齢化率は32.6%に達しており、今後さらなる高齢化の進行とともに、認知症に起因する行方不明事案の増加リスクも高まると見込まれ、地域ぐるみでの対応が一層重要になると考えられる。
 こうした中で、地域からは「もっと早く情報を知りたい」「より絞り込まれたエリア情報があると探しやすい」といった声が寄せられている。また、農作業を行う方や高齢者からは「スマートフォンよりも同報無線や固定スピーカーの方が分かりやすい」との意見もあり、地域の実情に即した、より分かりやすく共有できる方法を模索していくことが必要だと考える。
 社会的に見ても、認知症高齢者の行方不明は「一歩間違えば命に関わる問題」であり、本人だけでなく御家族や地域社会全体に大きな負担をもたらす。地域的には、住民同士による迅速な情報共有や見守り活動こそが早期発見の鍵を握る。当市には、都市部では失われつつある「人と人のつながり」「地域の支え合い」の文化がまだ息づいており、これこそが当市の大きな強みである。こうした地域力を生かすことが、今後の行方不明者対策において最も大切な視点であると考える。
 このことを踏まえ、認知症高齢者の行方不明者対策の現状及び今後について、以下伺う。
 (1) 認知症高齢者の行方不明の未然防止や早期発見に対する当市の取組について伺う。
 (2) 行方不明者の捜索に同報無線を活用しているが、その伝達手順について伺う。
 (3) 地域協働の視点から、今後の認知症高齢者の行方不明者対策の方向性について伺う。
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  • 令和7年6月定例会
  • 7月1日
  • 本会議 一般質問
1 まちなかエリア(島田駅前周辺)の再構築に向けた地域主体のエリア活性化をどう描くかについて
 島田駅前中央通り商店街は、JR島田駅から続く約200メートルの駅前通りに位置し、市の“顔”とも言えるエリアとなっている。かつては多くの店舗や人の往来でにぎわいを見せていたが、近年ではスーパーマーケットの退店や、コロナ禍の影響による飲食店などの閉店が続き、空き店舗の増加とともに、エリア全体に空洞化が広がってきている。
 一方で、希望の芽も見え始めている。地域の若者による起業、サンカク公園での新たな客層の発掘、コワーキングスペースからの新規出店、小学生向けプログラム、地元酒蔵の再整備計画など、プレイヤーたちの挑戦が少しずつ形になり始めている。これは地域に残された資源を見直し、新たな活用方法を模索する動きとも言える。
 こうした状況は、単に“衰退”と片付けるべきではなく、「次のステージに向かう転機」だと私は捉えている。今こそ、島田駅前周辺をまちなかエリアとして捉え、面としての活性化や取組の加速が必要だと考える。
 ただ一方で、現在の島田市中心市街地活性化基本方針では、通行量やイベント来場者数、空き店舗の数など“見た目”の指標が中心となっているが、実際に事業の持続性や地域経済にどうつながっているかという視点は、やや弱いように思われる。
 全国的にも「イベントをしても売上が伸びない」という現場の声は多く、「にぎわい」と「経済的成果」は必ずしも一致していない現実がある。いま私たちが考えるべきなのは、「民間が挑戦し、リターンが得られる仕組みをどう整えるか」ではないだろうか。
 これまでの「まちを全部元に戻す」「空き店舗を全部埋める」といった目標ではなく、一つ一つの事業者が成功し、それが波のように広がっていく“面の積み重ね”が、これからのまちづくりには必要である。そのためには、市民、行政、民間がパートナーとして柔軟に協力しあえる体制づくりが求められる。
 以上を踏まえ、市の方針を以下伺う。
 (1) 中心市街地全体と比べ、まちなかエリア(島田駅前周辺地域)の位置づけや役割をどのように認識しているか。
 (2) 駅前の空き店舗や空き家の実態調査はどこまで進んでいるか。
 (3) 島田市産業支援センター「おびサポ」の駅前移転による効果的な活用方針を伺う。
 (4) 「さかさま不動産」のように「不動産を登録する」のではなく、「人が登録する」という逆転の発想でマッチングを促す仕組みの導入は検討できないか。
 (5) 駅前の街路灯の不点灯が目立つが、現状認識と対応策を伺う。
2 大井川流域を舞台としたアートによる地域振興モデルの構築について
 当市では、島田大祭や島田髷まつり、川越し街道、しまだ大井川マラソンinリバティといった、地域に根ざした伝統、文化、スポーツの取組が、市民の誇りとして大切に受け継がれてきた。しかし、少子高齢化と人口減少の加速により、特に中山間地域では、地域資源を未来につなぎ、持続的に生かすための再構築が求められている。
 こうした背景の中、全国ではアートや文化芸術を活用した地域再生の取組が注目を集めている。例えば新潟県十日町市で開催される「大地の芸術祭」は、過疎地の空き家や廃校を展示会場とし、アーティスト、住民、行政が協働で地域の魅力を再発見する取組となっている。2018年には54万人を動員し、65億円の経済効果を生み出したこの芸術祭は、世界銀行からも「持続可能な地域経済モデル」として報告された。
 香川県を中心に開催される「瀬戸内国際芸術祭」では、芸術祭を契機に移住者が増加したことにより、かつて閉校となっていた男木島の小学校が6年ぶりに再開されたというエピソードもある。こうした事例は、芸術が地域の希望を取り戻す大きな力になり得ることを物語っている。
 国の「文化芸術推進基本計画(第2期)」では、「文化芸術と経済の好循環」「地域課題の解決への寄与」が重要なテーマとされ、自治体に対しても、関係横断の取組と文化政策の更新が求められている。静岡県の「ふじのくに文化振興基本計画」においても、大井川流域を文化資源の集積地と見なし、芸術祭や文化拠点の形成など、先駆的な民間活動に着目した戦略が明確に打ち出されている。
 これらを踏まえると、当市が大井川流域を「文化芸術による地域振興モデルエリア」として明確に位置づけることは、時流に即した責任ある政策判断であると言える。
 大井川流域の自然、文化、暮らしの中にある価値が、アートの力によって丁寧にすくい取られ、発信されていくことで、地域の外へのPRだけでなく、市民自身が自らの土地の魅力を再発見し、誇りを取り戻すことにもつながる。
 当市としても、大井川流域をモデルエリアとし、市民、民間、行政がともに関わる文化芸術の取組を育てていくべきタイミングに来ていると考え、以下伺う。
 (1) 当市としての文化政策全体の方針を伺う。
 (2) 令和2年度から令和8年度を計画期間とした「島田市文化芸術推進計画」の今後の改定に向けた展望を伺う。
 (3) 文化芸術を観光、経済と連携させていく方針について伺うとともに、大井川流域エリアを文化芸術の拠点としての戦略的に位置づけるモデルについて見解を伺う。
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