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1 住宅減災3本柱(住宅耐震補強・家具固定・感震ブレーカー設置)の再構築について
平成28年熊本地震、そして、令和6年能登半島地震は、私たちに大きな課題を突きつけた。熊本地震での益城町における木造住宅の倒壊・崩壊、大破の割合は、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の住宅で28.2%(大破を含め45.7%)、新耐震基準のうち平成12年5月31日以前のいわゆるグレーゾーンの住宅で8.7%(大破を含め18.4%)、これは現行の平成12年基準の住宅の2.2%(大破を含め6.0%)に比べ約4倍の水準となった。
能登半島地震では、輪島市・珠洲市・穴水町における同割合は旧耐震基準の住宅で19.4%(大破を含め39.3%)、新耐震基準のうち平成12年5月31日以前のいわゆるグレーゾーン住宅で5.4%(大破を含め16.9%)、これは現行の平成12年基準の0.7%(大破を含め2.0%)に比べ約8倍の水準に達した。なお、今般の令和8年熊本地震での住宅倒壊等の耐震基準別の割合は今後の調査結果を待つことになる。
さらに、全国で耐震診断の依頼のあった2万9,974棟の診断結果を集計した日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査データ(令和7年10月29日発表)では、このグレーゾーン年代の住宅の86.6%が現行の耐震基準を満たさないとの衝撃的な判定集計結果が示された。
これらを受けて、令和8年3月に策定された県の第4期耐震改修促進計画は、新耐震基準の木造建築物のうち平成12年5月以前の建築物について、精密な耐震診断や必要な耐震改修を実施し、安全性確保を目指すことを目標に明記し、当市の第4期耐震改修促進計画でも、新耐震基準(平成12年基準以前)で建てられた木造建築物の安全確認を推奨し、周知・啓発するとした。
ところが、令和8年度から始まった県の「TOUKAI-0+(プラス)」の補助対象は、依然として昭和56年5月以前の旧耐震住宅のままである。計画は新耐震基準(平成12年基準以前)という新方向を示したが、それを実現する補助制度が旧耐震のままに据え置かれている。この計画と制度のギャップを、南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率が「60%~90%」とも「20%~50%」とも叫ばれている現況下でいかに埋めていくか、自治体の判断が厳しく問われているものと考えられる。
また、大地震の人的被害は、住宅の倒壊だけでなく、屋内の家具の転倒、そして、電気を原因とする火災という3つの経路で生じる。阪神・淡路大震災では死者の8割以上が家屋倒壊・家具転倒等による圧死であり、屋内負傷者の半数近くは家具の転倒・落下が原因だった。また、火災原因の6割以上は電気に関係するものとされている。
政府の中央防災会議では、令和7年3月の南海トラフ巨大地震の新たな被害想定及び同年12月の首都直下地震の新想定において、感震ブレーカーの設置率が100%になれば、焼失棟数をそれぞれ実に約53%削減、約72%削減できるとの定量評価が発表された。
一方、感震ブレーカー設置補助制度は、県内35市町のうち、当市・袋井市・伊豆の国市のみが未実施であり、県中部では当市のみが未実施という現状である。また、当市では、家具固定支援は高齢者・障害者世帯等に限定されている。
ついては、住宅倒壊を防ぐ耐震補強、屋内事故を防ぐ家具固定、通電火災を防ぐ感震ブレーカー、この3本柱を一体の減災パッケージとして再構築していくことが住宅減災のために強く求められているとの判断のもとに、以下質問する。
(1) 当市の第4期耐震改修促進計画に示された令和5年の耐震化率は93.7%とのことだが、この計算方法を昭和56年5月までの旧耐震基準、平成12年5月までの新耐震基準グレーゾーン、平成12年6月以降の現行耐震基準別の住宅戸数、うち耐震改修済の住宅戸数等を使って明示していただきたい。
(2) 今後の取組が急務と判断されるグレーゾーン年代の木造住宅の戸数をどのように把握しているのか。また、耐震基準年代別の内訳を推計または確定値で把握していたら、その戸数を伺う。
(3) 国の耐震補助対象は建築年ではなく耐震診断の結果で定義されており、グレーゾーン年代であっても補助対象としている。徳島県の全市町村、千葉県習志野市・四街道市、埼玉県川越市では、グレーゾーン年代の住宅まで耐震診断・改修工事補助対象に広げている。当市でも、まずは新耐震グレーゾーン住宅への耐震診断補助から段階的に対象を拡大する考えはないか伺う。
(4) 家具転倒防止事業について、事業開始からの実績、そして、高齢者・障害者世帯等に限定されている現行の枠組みを一般世帯へ拡充する等の考えはないか伺う。
(5) 前述のとおり、県内35市町のうち感震ブレーカー設置補助制度がないのは当市を含め3市のみであり、当市に隣接する藤枝市、焼津市、吉田町、牧之原市、菊川市、掛川市、森町、浜松市、川根本町といった全ての市町が制度を設けている。当市発生の通電火災が隣接市町に燃え広がるといった事態が発生すると、隣接市町の住宅減災対策にも深刻な悪影響を及ぼす懸念もあり、県中部全体の住宅減災政策上極めて深刻な制度空白地帯となってしまっている。市長は令和6年3月6日の定例会において、同僚議員の質問に対し、「過去の地震災害の事例や電力会社の電力復旧の処置に改善がされていることなどの理由により、通電火災のリスクが相当程度小さくなっていると考えられます。」、「感震ブレーカーの補助よりも、住宅の耐震化、耐震シェルターや防災ベッドの設置といった家屋空間安全対策事業を推進していきたい。」と答弁された。その後、国は南海トラフ、首都直下と2つの新想定で、家電や電力復旧の改善を織り込んでもなお感震ブレーカーの設置徹底により焼失棟数を5割から7割削減できると定量的に示し、住宅減災のための最優先課題であると示した。これらの国の最新の評価を踏まえ、令和6年3月の答弁の前提となった認識は今も維持されているのか。そして、設置補助制度を創設する考えはないか伺う。
2 低出生体重児とその母親への切れ目のない支援について
本日、私がこの質問に立つのは、市議会議員として、そして「妻とともに、2人のリトルベビーを育てた1人の父親」として、どうしても看過できない当市の課題を皆様に訴えたいからである。
我が国では現在、約10人に1人の赤ちゃんが2,500グラム未満の低出生体重児として生まれている。この2,500グラム未満の赤ちゃんのことを、親しみを込めてリトルベビーと呼んでいる。
私の上の娘は2,200グラム、そして、下の息子は2か月半の早産で1,216グラムの極低出生体重児としてこの世に生を受けた。
息子の命を繋ぐため、生まれた直後から聖隷浜松病院のNICU(新生児集中治療室)に2か月半入院した。自力で母乳を吸う力がない息子のために、妻は四六時中、実家で搾乳機に向かい、母乳を専用パックに詰めて冷凍保存を続けた。平日は妻が、土日は私が、妻の実家である旧豊岡村から片道約21キロメートル40分、往復1時間20分の道のりを、毎日、聖隷浜松病院のNICUへ母乳を届けるために車を走らせた。
その車中、頭を離れなかったのは、「なぜもっと大きく産んであげられなかったのか」との自責の思いだった。当時、私は大阪市に単身赴任していた。そのために妻が不安感・孤独感を深め、早産となってしまったのではないかと自分を責めていた。妻は私以上に「自分の体が弱かったから」と言って、自責の言葉を口にしていた。このように、予定日より早く小さな子供を産んでしまった母親は、強い自責の念にかられる傾向がある。
さらに、医師からは、心肺機能の未熟さによる呼吸困難・心不全のリスク、酸素濃度による未熟児網膜症のリスク、母子分離による心の健康リスク、RSウイルスの感染症リスク等、命に関わる冷酷な現実を告げられ、心配で夜も眠れない心理状態となっていった。なお、これらのリスクのいくつかは現実にその後、そして、今現在でも厳しい現実となって息子と私たち家族を悩ませ続けている。
息子がNICUに入院時のことだが、隣の保育器に入っていた赤ちゃんが、全身紫色で、アラーム音が鳴りっぱなし、医師と看護師がつきっきりでケアし、それを両親が深刻な顔で見守っているという緊迫した状況を目の当たりにした。「赤ちゃん頑張れ」と念じつつ、翌日行ってみると、隣の保育器は空っぽで、あの赤ちゃんの姿がないことに衝撃を受けた。しかし、赤ちゃんがどうなったのか、現場のスタッフに聞く勇気はなかった。そして、妻にはこの話はしなかった。
妻は、極限の精神状態の中で、「毎日、自分の母乳を絞って届けること」だけが、母親が我が子のためにできる唯一の育児であり、母親としての存在意義を保つ「心の命綱」だったのではないかと思う。
しかし、その命綱を繋ぐための電動搾乳機の購入やレンタル代、使いまわし厳禁の完全無菌の母乳パック代は、病院の治療費ではないため、未熟児養育医療給付制度からも子ども医療費助成制度からも外れた全額自己負担であり、入院が数か月に及べば数万円単位の出費となる。なお、現行の出産育児一時金や妊婦・出産給付金は通常の出産を想定した一律の給付であり、リトルベビーのNICU長期入院という異常事態による高額実費までは想定されていない。
なぜ、私がこの個人的な経験を話すのか。それは、私と妻が味わった往復の車内での自責の念、低出生体重児・未熟児ゆえの命に関わるリスクへの深刻な懸念、極限の精神状態、そして、制度の隙間にある経済的負担を、今まさに当市において、現在進行形で背負っている御家族が存在するからである。
当市には、1,500グラム未満の極・超低出生体重児を受け入れる高度なNICUがない。そのため、御家族は約27キロメートル離れた静岡市の県立こども病院や、約8キロメートル離れた藤枝市立総合病院など、市外の病院へ毎日母乳を届けるために通い続けている。往復のガソリン代・交通費に加え、搾乳関連の実費が重くのしかかってきている。
ところで、静岡県は全国に先駆けて、リトルベビーとその父母のためのしずおかリトルベビーハンドブックを開発した先進県であり、当市でも交付されている。同ハンドブックには、体重2,000グラム未満は記入することができない冷酷な成長曲線がない一方、リトルベビーの母親をケアする言葉に溢れている。しかし、同ハンドブックによる心のケアだけでは埋められない、リアルな経済的負担が現場には厳然として存在している。
この制度の挟間ともいうべき経済的負担に対して、本年4月、鹿児島県日置市で、搾乳機や母乳パックの費用を上限2万円まで助成する全国初の先進的な事業が開始され、近隣の焼津市でも検討が進められているとの情報が入っている。
日置市のこの制度は、経済的な助成に加え、リトルベビーの母親に対する心のケアをより強固にする「あなたの頑張りを市が応援していますよ!負けないで!」との強いメッセージであり、私は、産後うつや孤立から母親の心を救うメンタルケア、ネグレクト・虐待予防の政策的先行投資、切れ目のない伴走型支援ではないかと考える。
ついては、「子育てするなら島田市で」を標榜する当市において、リトルベビーとその母親を誰一人取り残さないため、以下について当局の見解を伺う。
(1) 直近5年間における当市の未熟児養育医療給付制度(出生時体重が2,000グラム以下の子供や呼吸機能などが未熟なまま出生した子供、医師が入院養育を必要と認めた子供等の未熟児が対象)を申請し、対象となった子供の数、また、しずおかリトルベビーハンドブックの交付状況を含めた低出生体重児の母親に対する現在の保健指導体制について伺う。
(2) 当市にはNICUがない。このため、市外の医療機関へ母乳を届けに通い、ガソリン代や交通費に加え、搾乳機や母乳パックの費用が全額自己負担となっている現状が、産後間もない母親に与える影響について、認識を伺う。
(3) 出産育児一時金や医療費助成ではカバーできないこの「制度の隙間」を埋め、産後うつや孤立を防ぐため、母乳搾乳関係の費用を助成するリトルベビー支援事業を創設する考えはないか伺う。 |
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1 大規模住宅団地共同合併浄化槽の管理に係る支援・救済要請について
大規模住宅団地であるばらの丘ニュータウンの共同合併浄化槽は、稼働から25年が経過した。耐用年数40年との想定にもかかわらず、汚水送水のための電気施設の不具合発生に加え、集中浄化施設のひび割れや壁表面の崩落等老朽化が目立ち、南海トラフ巨大地震に備えての修繕費の捻出、住民の高齢化や料金徴収・経理等煩雑な事務の担い手不足による管理組合の人材難・運営難等のため、多くの住民から持続可能性を懸念する声が上がっている。
私は、こういった住民からの懸念の声を受け、浄化槽管理組合の役員、ばらの丘一丁目・二丁目町内会の役員その他近隣住民の方に具体的な懸念の内容、解決の方向性、要望事項等を聴取していった。加えて、浄化槽管理業務を委託する民間2社の現場担当者から、施設の維持管理状況、傷み具合、災害時の懸念事項等を聴取した上で、懸念事項・対応方針等を整理・検討し、「ばらの丘ニュータウン(大規模住宅団地)共同合併浄化槽の今後の取扱方針(案)」(以下「取扱方針案」という。)を作成した。そして、昨年暮れ頃より、検討し整理した4つの出口戦略について、浄化槽管理組合の定例会合及び総会、2町内会の合同組長会、一丁目総会の場で説明し、質疑応答を実施してきた。さらには、全住民に対し、町内会を通じて、取扱方針案の書面を配布してきた。
遡って、当市は1980年(昭和55年)4月に住宅団地汚水処理場条例を制定し、静岡県企業局が所有し管理してきた月坂団地の汚水処理場を、市が「所有権移転・管理移管」を受け、市所有・管理に切り替え、市が所有し管理してきた伊太第一・第二団地の汚水処理場とともに料金体系の統一化を図り、改めて当該3汚水処理場を全て市で管理していくことを明確化した経緯がある。
これに対し、ばらの丘ニュータウンは、2001年(平成13年)頃分譲を開始した民間造成・民間管理の住宅団地ではあるが、この点を除けば、月坂団地・伊太第一団地・第二団地(以下「既存3団地」という。)と同様、共同合併浄化槽を有し、し尿と生活排水を合併・集中浄化し、住民の公衆衛生及び生活環境を保全するという大目的は同一であり、この大目的は行政が民間に求めるものと同様である。
ついては、以下の点について、当市の考え方を伺う。
(1) 1980年(昭和55年)に、月坂団地を静岡県企業局の所有・管理から、市所有・管理に切り替え、既存3団地の汚水処理場を全て市管理とした当時の判断基準は何か伺う。
(2) (1)の基準に照らし、ばらの丘ニュータウンの共同合併浄化槽は公的支援や救済の対象となるか否か。その理由を含めて伺う。
(3) 過去の所有形態の違いを理由に、既存3団地のみに手厚い公営管理を提供し、ばらの丘ニュータウンを救済しないとしたら、その区別は、地方自治法第10条第2項の「属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利」及び憲法第14条第1項の「平等原則」に照らし、合理的と言えるか否か。合理的な説明を伺う。
(4) 1980年(昭和55年)当時に確立した「条例制定による市管理化」の手法を、ばらの丘ニュータウンの住民負担軽減に用いることにいかなる支障があるか伺う。
(5) 既存3団地全ての市管理化以降、2001年(平成13年)からの25年間において、住民からの使用料収入だけで賄えなかった維持管理・施設更新費に対し、市の一般財源等から投入された公費の総額は幾らか伺う。万一、過去25年間の算出が困難な場合は、直近10年間に市の一般財源等から投入された公費の総額を伺う。
(6) 取扱方針案の(1)市管理への移管や、(2)公共下水道延伸による接続が困難であるならば、将来の汚水処理破綻による重大な衛生・環境汚染の顕在化を避けるため、市として管理組合・住民代表等と定期的に情報交換・協議を行う「公式な対話の場」を設ける考えがあるか伺う。 |
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1 令和8年度の施政方針と予算の大綱について
「令和8年度 施政方針と予算の大綱~「協働」から「共創」によるウェルビーイングの向上~」が示された。令和8年度は第3次島田市総合計画が新たにスタートする年度でもある。施政方針及び予算が第3次島田市総合計画の目指す「笑顔あふれる 安心のまち 島田」にかなった市民生活の向上等に有効か否か、変化が激しい昨今の社会・経済情勢等に適応した内容か否かといった視点から、特に重要と思われる施策及びその他の既往施策について、当市の考え方を伺う。
(1) シティプロモーションと移住・定住施策の強化について
① シティプロモーションのこの10年の取組は市内外にどのようなプロモーション効果をもたらしたか伺う。
② シティプロモーションについて、今後新しい取組を検討しているか伺う。
③ 少子高齢化・人口減少という課題が近未来に大きく立ちはだかる状況を鑑みると、移住・定住施策の強化とこれを市内外に発信するシティプロモーションの新たな取組の検討が必要ではないかと判断するが、見解を伺う。
(2) 地域の基幹病院である市立総合医療センター(以下「総合医療センター」という。)の安定的な運営確保に向けた支援強化について
① 総合医療センターへの支援強化として、一般会計から24億4,018万円、うち追加分10億円を支援するという金額の算定根拠を伺う。
② 当市では令和9年度までの経営強化プランが策定されているが、令和6年度及び令和7年度の収支計画と収支実績(見込)の比較はどのようになっているか伺う。
③ 経営強化プランの見直しを検討しているか伺う。
(3) 歳入増加策としてのふるさと寄附金の推進強化について
① 令和7年度の個人版及び企業版ふるさと寄附金の寄附金額の見通しと増減の要因を伺う。
② ふるさと寄附金の増額に向けた具体的な取組について伺う。
③ 寄附者に対するアプローチについて伺う。
(4) 「生きがいを持って安心して暮らす(高齢者福祉・介護)」の既往施策である家族介護用品支給事業について
① 家族介護用品支給事業の制度内容と支援金額の見直しについての見解を伺う。 |
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- 令和7年11月定例会
- 12月1日
- 本会議 一般質問
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1 事業評価と「決算に係る主要な施策の成果に関する報告書」の内容について
決算は当局にとって、当該年度における予算執行結果の縮図・集大成とも言うべき重要事項である。一方、決算認定は市議会にとって、執行機関である当局に対する重要な監視(検査及び調査その他の権限)機会であり、地方自治法第96条第1項第3号の規定に基づき、議員は住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない。
その決算審査に伴う事業評価は、事業の必要性・有効性・効率性等の評価を通じて、事業の継続あるいは廃止の判断、市民に対して有効か否かの判断、税金の使い方の効率性の判断等をする上での重要事項であると考える。
また、当局においても事業の継続あるいは廃止検討等、決算の結果を通じて次期予算編成に向けての重要な判断材料であり、これを市民に公表することで、市政の透明性と市政への信頼性の向上に繋がるものと期待される。
当市の現状(令和6年度決算)は、決算の認定に当たって、「決算に係る主要な施策の成果に関する報告書」(以下「成果に関する報告書」という。)が作成された。本年9月定例会における決算審査では、前年度の予算・決算特別委員会の最終報告にある申し送り事項に従い進められてきた。
その概略として、改良された成果に関する報告書について、さらに改良してほしい点を検討しながら決算審査に臨むこと。また、提言においては予算の減額や事業の縮小等についても議論を行うことが望ましいこと。さらに、審査方法及び委員会の運営等については正副分科会長らによる検討部会で協議の上進めることという内容となっている。
決算審査における各分科会から出された成果に関する報告書の改良点や要望事項は、検討部会から提供された資料を確認すると次のような内容となっている。1点目として、「課題」と「改善点」が同じ欄に記載されているため分かりにくいことに加え、3行以内の記載であることから説明不足と感じる事業が多いこと。2点目として、当年度と前年度の数値の記載のみにとどまっていることから、事業の推移や成果・課題を客観的に把握することが困難であり、事業の継続・見直し・廃止といった判断を行うための材料としては十分ではないこと。3点目として、予算額の記載がないなど、予算書・実施計画書等過去の資料を確認しなければならないことや款項目の切れ目がわかりにくいという様式に関することなどとなっている。
以上のような意見を含め、私自身も現行の「成果に関する報告書」の内容からでは事業成果の把握は困難であったところがあり、委員会からの申し送り事項にある予算の減額や縮小に加え、市民に対して有効か否かの判断、税金の使い方の効率性の判断などの議論まではたどり着けなかったのが決算審査後の正直な感想である。
さらに、各事業の評価については、平成28年10月1日時点でさえも、都道府県、政令市、その他の市区町村から町村を除いた数の合計で85.7%が行政(事業)評価を導入しており、事業ごとの成果指標(KPI)や定量的な評価、過年度比較、さらには市民満足度調査の結果などを踏まえた真の事業評価が行われている。
このことは、当局における限られた財源の中での選択と集中を実現し、議会による監視機能の強化、市民への説明責任を遂行するための重要なツールとなっている。
こうしたことを踏まえ、一部議員において複数の市議会の予算・決算審査について視察を重ねてきたが、その全ての自治体において事務事業評価が行われており、その結果は議会あるいは市民にも公表されていた。
そこで、今後の効果的な決算審査や当局の最適な事業執行のためにも、決算資料等に関する見解について、以下伺う。
(1) 当市において、過去の事務事業評価はどのように実施され、それを次年度予算編成等にどのように活用されてきたのか伺う。
(2) 市民の税金を原資とする事業成果を適切に評価し、それを次年度以降の施策に反映させていくことは、当局及び議会の共同の責務であると同時に、議会においては、行政監視機能を適切に果たしていく上でも不可欠と考える。今後の決算資料に関する当局の考えを伺う。
2 静岡県司法書士会からの証明書オンライン申請及びキャッシュレス支払要望に対する対応について
高齢化の進展に伴う相続人調査依頼の増加や、空き家の増加に伴う所有関係等の調査依頼が年々増加しているとして、戸籍謄本や住民票を郵送で「請求する側」である静岡県司法書士会から、オンライン申請及び交付手数料のキャッシュレス支払いの導入についての強い要望が寄せられている。
現在、当市においては、戸籍謄本や住民票の郵送請求に対し、交付手数料の支払いは「定額小為替」が指定されている。しかし、「定額小為替」を郵便局で購入する時には1枚当たり200円の発行手数料がかかるのに加え、必要以上に購入してしまった場合には、有効期限内に換金しなければならず、期限を過ぎた場合には、1枚当たり200円の支払い再発行を受けた上で換金し、200円を損失とするか、そのまま「定額小為替」の額面分を損失とするかといった金銭面・有効期限管理面に係る負担が「請求する側」に発生している。郵便局が遠方にある場合には、「定額小為替」の購入・郵送に係る負担が「請求する側」にさらに加わっている。
「請求する側」には、士業(司法書士、弁護士、行政書士など)に加え、市民など一般個人(本籍のみが当市にある市外在住者等)が含まれるが、当市においては、後者について既に令和6年4月からオンライン申請及びキャッシュレス支払いの運用が開始されていると伺っている。後者については、更に在住地の近隣にある役所・支所等で戸籍謄本や住民票等を取得することができる(戸籍抄本や戸籍の附票等は除く)。
一方、「定額小為替」を「受け取る側」である当局においても、「定額小為替」の換金・有効期限管理に係る金銭面の負担、在庫管理その他「定額小為替」の誤記・無効チェック対応の負担が発生している。
士業による証明書のオンライン申請及び交付手数料のキャッシュレス支払いが導入された場合、以下のようなメリット・課題(デメリット)が考えられる。
はじめに、メリットは、士業の利便性向上として、スマートフォンやパソコンからオンライン申請・即時決済が可能となり、金銭面の負担が軽減され、余った「定額小為替」の有効期限管理負担がなくなることに加え、「定額小為替」購入のため郵便局に出向く負担がなくなること。当局の事務処理の効率化として、「定額小為替」の換金、期限・在庫管理、誤記・無効・偽造チェック業務がなくなり、窓口業務の効率化につながること。不正防止と透明性の確保として、キャッシュレス支払いは履歴が残るため、金銭授受の透明性が高まること。国のデジタル田園都市国家構想基本方針に基づく島田市DX推進計画にも沿った取扱いと判断されることである。
次に、課題(デメリット)は、システム整備のイニシャルコスト等として、オンライン申請・キャッシュレス支払いの対応にはシステムの導入・運用費が必要であり、財政的な検討が必要となること。さらに、対応開始に当たっての諸規定の整備が必要となること。デジタル弱者への配慮として、スマートフォン・パソコンなどネット環境がない、若しくはそれらを使用するのに支障のある市民、特に高齢者・身体障害者への配慮を検討する必要があることが挙げられる。
以上を踏まえ、以下伺う。
(1) 当市としても、士業に対するサービスの向上と行政事務効率化が図られると判断されることから、証明書のオンライン申請及びキャッシュレス支払いの導入を進めるべきと考えるが、見解を伺う。
3 令和7年7月施行の改正災害対策基本法・災害救助法に基づく福祉支援の強化について
令和6年1月発災の能登半島地震では、避難生活の過酷さなどに伴う災害関連死が地震による直接死の数を上回る事態となり、これを契機に、災害対策基本法・災害救助法が改正され、令和7年7月に施行された。
被災者は、要配慮者が入所する福祉避難所、在宅避難、車中泊など様々な避難形態での生活を余儀なくされている。様々な避難形態における支援ニーズに対応するため、改正法では自治体による救助の種類に「福祉サービスの提供」を追加し、「人」への福祉支援という観点が明確化され、災害関連死を未然に防ぐ支援体制が強化されることとなった。
具体的には、福祉避難所を従来の「一般避難所での対応が困難な場合に開設する二次的施設」という扱いから、「発災初期からの開設が求められる支援拠点」という扱いとし、要配慮者の発災当初からの受入体制整備が求められることとなった。
加えて、新たに制定された「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」により、「災害福祉支援ネットワーク」が整備されることとなった。これは、自治体・福祉・医療・ボランティア・企業などが平時から連携し、情報共有・人材調整などを行っていく仕組みである。
さらには、都道府県を中心に組成中の「災害派遣福祉チーム」(DWAT)の活動範囲が、福祉避難所に加え、在宅避難、車中泊への支援へと拡大された。今後は、要配慮者等へ迅速な福祉サービス提供に当たっては、DWATとの連携強化が重要となった。
こうした災害対応に係る法改正を踏まえ、当市の対応方針を以下伺う。
(1) 災害時、要配慮者への「福祉サービスの提供」をはじめとした支援体制を強化するため、福祉避難所等の情報や「災害福祉支援ネットワーク」の整備、DWATとの連携強化等を地域防災計画や市民向け防災ガイドブック等の規定・マニュアル類に明記する等の改定を早期に実施すべきと考えるが、当局の見解を伺う。
(2) 地域防災計画や市民向け防災ガイドブック等の規定・マニュアル類を改定する場合、災害避難所における「人間らしい生活の最低限の質」を保障する国際的な指針であるスフィア基準(1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペース、20人に1基のトイレ、トイレは男女別で使用し女性用は男性の3倍の数、世帯ごとにパーティション設置、50人に1つの入浴設備、温かい食事の提供等)に準拠した避難所設備等の設置、備品・食料等の備蓄を明記すべきと考えるが、当局の見解を伺う。
(3) 地域防災計画や市民向け防災ガイドブック等の規定・マニュアル類を改定する場合、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」を目指す防災の考え方であるインクルーシブ防災(やさしい日本語・多言語での防災情報の用意、ピクトグラムやイラストを使った案内表示設置、段差・階段のある場所にスロープ・手すり設置)に即した避難所案内表示やスロープ等の設置、外国人住民や障害者と一緒に避難訓練を実施する等を明記すべきと考えるが、当局の見解を伺う。 |
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1 令和6年度経常収支比率から想定される近未来と、歳入増加策としてのふるさと寄附金について
当市の令和6年度末(令和7年3月末)経常収支比率は95.1%と、令和4年度末93.3%、同5年度末92.5%からさらに悪化し、道路や河川の改修といった投資的事業等に充てる余力がさらに乏しくなり、財政状況の硬直化が一段と進んでいることが判明した。
以上の財政状況に加え、超少子高齢化と人口減少の加速度的な進行による扶助費等の経常経費の増大化と、市税等の経常的収入の縮小により、近未来の予測として経常赤字転落も懸念される厳しい状況と言わざるを得ない。
これらを勘案すると、今年度の財政運営と令和8年度からスタートする第3次総合計画における歳入増加策について、より意欲的な目標設定に加え、より効果的な実施計画を策定し、目標を達成していく取組が必要と考えられることから、以下伺う。
(1) 前年度比一段と悪化した令和6年度の経常収支比率を勘案し、今後の財政運営における懸念点及びその対策について改めて伺う。
(2) 歳入増加策としてのふるさと寄附金について
① 市長は、6月定例会において、ふるさと寄附金の増額に向けて取り組むことは重要と答弁されている。一方で、市民の他自治体へのふるさと納税は当市における市税の減収となるなどの問題点がある旨について言及されているが、この減収となった金額について伺う。
② 減収となった金額のうち、当市において普通交付税に算入され交付される金額について伺う。
③ 税収が豊かな東京都特別区などの自治体と税収に限りがある地方の自治体には税収に格差が生じているため、住民サービスにも相当な格差が生じているという課題に対し、ふるさと寄附金は格差を一部緩和し、地場産品を全国にアピールすることのできる制度として、地方の自治体では積極的に評価する意見もある。ついては、ふるさと寄附金の増額に向けての取組に対して、改めて市長の方針を伺う。
2 通学路等の安全点検について
令和3年6月千葉県八街市において、下校中の児童の列にトラックが衝突し、5人の児童が死傷する事故が発生した。同年7月、文部科学省・国土交通省・警察庁が連名で通学路の危険個所の抽出と合同点検の実施、対策案の検討・作成、対策の実施、その実施状況の報告について取りまとめるよう依頼文書が発出された。全国の小学校等では、これに基づき合同点検等が行われ、通学路の安全対策が施されていった。
しかし、本年5月には、大阪市西成区、埼玉県三郷市、福岡県筑紫野市において立て続けに下校中の児童に自動車が衝突する事故が発生し、西成区の事例は故意犯によるものであった。
当市では、令和2年10月、未就学児も対象に加え、「島田市 子供の移動経路に関する交通安全プログラム~子供の移動経路/通学路等の安全確保に関する取組の方針~」(以下「安全プログラム」という。)を策定し、以降通学路等の合同安全点検等を具体的に実施していくためのマニュアルとして活用してきた。
しかし、安全プログラムには、危険個所の例示等具体的な抽出方法の記載がないことに加え、令和3年7月の文部科学省等の連名による依頼文書の中で、新しい観点として「車の速度が上がりやすい箇所」「大型車の侵入が多い箇所」等が示されているにもかかわらず、これらの記載もないことから、その他の必要事項を含めて、より利便性の高い内容に磨き上げいく必要があるものと考え、以下伺う。
(1) 安全プログラムが、通学路の危険個所の抽出と合同点検の実施、対策案の検討・作成、対策の実施、実施状況の報告という一連の流れ作業の実施マニュアルとしての位置づけだとすると、最も大事な危険個所の例示等具体的な抽出方法の記載が欠落していることは大きな問題であり、通学路等の合同安全点検等を持続可能な取組として継続していく観点からも、危険個所の抽出に関する例示や一連の流れ作業の段取り等具体的記述を追加し、改定を行う必要があるものと考えるが、見解を伺う。
(2) 通学路等の安全点検の実効性を高め、子供を危険から守るために、危険個所の抽出方法として、三次元点群データ(航空機、ドローン、車両等に搭載された三次元レーザースキャナーにより計測された三次元座標情報を持つ点データの集合体。危険な急傾斜地などのデータ)を活用した危険箇所の抽出や、プローブデータ(ブレーキ、速度計、カーナビ、ドライブレコーダー等の移動体通信システムにより取得される急減速多発箇所等の潜在的な事故危険箇所のデータ)等のビッグデータとAI解析を活用することへの検討について伺う。 |
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1 経常収支比率から想定される近未来と第3次島田市総合計画の内容について
当市の経常収支比率は令和3年度末87.2%、同4年度末93.3%、同5年度末92.5%と推移してきており、令和5年度末は県内23市の合算値90.2%と比較し2.3%低く、ワースト7位の水準である。経常収支比率は財政状況の弾力性を判断する指標で、人件費、扶助費、公債費等の経常的経費充当額の市税・地方交付税等の経常的収入に占める割合であり、比率が高いほど経常以外の投資的事業(道路建設等)に充てる余裕がなく、財政状況の硬直化を表している。一方、市中銀行における経常収支比率は、融資先企業の本業の収支状況を端的に表す指標であり、資金繰り破綻の可能性を見極めるものとして、極めて重視している。
このような財政状況に加え、超少子高齢化と人口減少の加速度的進展による扶助費等の経常経費の増大化と市税・地方交付税等の経常的収入の縮小により経常収支比率が更に悪化し、収支における赤字化も懸念される状況を勘案すると、令和8年度からスタートする第3次島田市総合計画では、少なくとも、より意欲的な目標設定及び他市町の先進・成功事例を鋭意参考とするなど、より斬新かつ効果的な実施計画を策定し、目標を達成していく取組が必要と考え、以下伺う。
(1) 当市の経常収支比率の推移あるいは水準を勘案した場合の課題や懸念材料は何か伺う。
(2) ふるさと納税の推進による寄附金増収策の策定について伺う。
(3) 国の補助に加え、ふるさと納税額を財源とした子育て支援策、住宅取得支援策を目玉とした移住促進策の策定について伺う。
(4) コンパクト・プラス・ネットワーク政策の推進について、特に中山間地域住民の移住促進策の検討と、移住に向けての丁寧な説明及び対話が何よりも重要と考えられる。一方、当市が当該政策を推進していることを知っている市民が極めて少ない実態があることから、当市の姿勢を市民に明確にすることに加え、早期に説明を開始し、丁寧な対話を実施していくことが肝要と考えられるが、見解を伺う。 |
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