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  • 大石 歩真 議員
  • 令和7年6月定例会
  • 7月1日
  • 本会議 一般質問
1 まちなかエリア(島田駅前周辺)の再構築に向けた地域主体のエリア活性化をどう描くかについて
 島田駅前中央通り商店街は、JR島田駅から続く約200メートルの駅前通りに位置し、市の“顔”とも言えるエリアとなっている。かつては多くの店舗や人の往来でにぎわいを見せていたが、近年ではスーパーマーケットの退店や、コロナ禍の影響による飲食店などの閉店が続き、空き店舗の増加とともに、エリア全体に空洞化が広がってきている。
 一方で、希望の芽も見え始めている。地域の若者による起業、サンカク公園での新たな客層の発掘、コワーキングスペースからの新規出店、小学生向けプログラム、地元酒蔵の再整備計画など、プレイヤーたちの挑戦が少しずつ形になり始めている。これは地域に残された資源を見直し、新たな活用方法を模索する動きとも言える。
 こうした状況は、単に“衰退”と片付けるべきではなく、「次のステージに向かう転機」だと私は捉えている。今こそ、島田駅前周辺をまちなかエリアとして捉え、面としての活性化や取組の加速が必要だと考える。
 ただ一方で、現在の島田市中心市街地活性化基本方針では、通行量やイベント来場者数、空き店舗の数など“見た目”の指標が中心となっているが、実際に事業の持続性や地域経済にどうつながっているかという視点は、やや弱いように思われる。
 全国的にも「イベントをしても売上が伸びない」という現場の声は多く、「にぎわい」と「経済的成果」は必ずしも一致していない現実がある。いま私たちが考えるべきなのは、「民間が挑戦し、リターンが得られる仕組みをどう整えるか」ではないだろうか。
 これまでの「まちを全部元に戻す」「空き店舗を全部埋める」といった目標ではなく、一つ一つの事業者が成功し、それが波のように広がっていく“面の積み重ね”が、これからのまちづくりには必要である。そのためには、市民、行政、民間がパートナーとして柔軟に協力しあえる体制づくりが求められる。
 以上を踏まえ、市の方針を以下伺う。
 (1) 中心市街地全体と比べ、まちなかエリア(島田駅前周辺地域)の位置づけや役割をどのように認識しているか。
 (2) 駅前の空き店舗や空き家の実態調査はどこまで進んでいるか。
 (3) 島田市産業支援センター「おびサポ」の駅前移転による効果的な活用方針を伺う。
 (4) 「さかさま不動産」のように「不動産を登録する」のではなく、「人が登録する」という逆転の発想でマッチングを促す仕組みの導入は検討できないか。
 (5) 駅前の街路灯の不点灯が目立つが、現状認識と対応策を伺う。
2 大井川流域を舞台としたアートによる地域振興モデルの構築について
 当市では、島田大祭や島田髷まつり、川越し街道、しまだ大井川マラソンinリバティといった、地域に根ざした伝統、文化、スポーツの取組が、市民の誇りとして大切に受け継がれてきた。しかし、少子高齢化と人口減少の加速により、特に中山間地域では、地域資源を未来につなぎ、持続的に生かすための再構築が求められている。
 こうした背景の中、全国ではアートや文化芸術を活用した地域再生の取組が注目を集めている。例えば新潟県十日町市で開催される「大地の芸術祭」は、過疎地の空き家や廃校を展示会場とし、アーティスト、住民、行政が協働で地域の魅力を再発見する取組となっている。2018年には54万人を動員し、65億円の経済効果を生み出したこの芸術祭は、世界銀行からも「持続可能な地域経済モデル」として報告された。
 香川県を中心に開催される「瀬戸内国際芸術祭」では、芸術祭を契機に移住者が増加したことにより、かつて閉校となっていた男木島の小学校が6年ぶりに再開されたというエピソードもある。こうした事例は、芸術が地域の希望を取り戻す大きな力になり得ることを物語っている。
 国の「文化芸術推進基本計画(第2期)」では、「文化芸術と経済の好循環」「地域課題の解決への寄与」が重要なテーマとされ、自治体に対しても、関係横断の取組と文化政策の更新が求められている。静岡県の「ふじのくに文化振興基本計画」においても、大井川流域を文化資源の集積地と見なし、芸術祭や文化拠点の形成など、先駆的な民間活動に着目した戦略が明確に打ち出されている。
 これらを踏まえると、当市が大井川流域を「文化芸術による地域振興モデルエリア」として明確に位置づけることは、時流に即した責任ある政策判断であると言える。
 大井川流域の自然、文化、暮らしの中にある価値が、アートの力によって丁寧にすくい取られ、発信されていくことで、地域の外へのPRだけでなく、市民自身が自らの土地の魅力を再発見し、誇りを取り戻すことにもつながる。
 当市としても、大井川流域をモデルエリアとし、市民、民間、行政がともに関わる文化芸術の取組を育てていくべきタイミングに来ていると考え、以下伺う。
 (1) 当市としての文化政策全体の方針を伺う。
 (2) 令和2年度から令和8年度を計画期間とした「島田市文化芸術推進計画」の今後の改定に向けた展望を伺う。
 (3) 文化芸術を観光、経済と連携させていく方針について伺うとともに、大井川流域エリアを文化芸術の拠点としての戦略的に位置づけるモデルについて見解を伺う。
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